寒ノ地獄(読み)かんのじごく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「寒ノ地獄」の意味・わかりやすい解説

寒ノ地獄
かんのじごく

大分県西部、玖珠(くす)郡九重町(ここのえまち)飯田高原(はんだこうげん)にある冷泉。標高1100メートル、三俣山(みまたやま)(1744メートル)山麓(さんろく)にわく湯治場泉質無色透明の単純硫化水素泉。泉温13~14℃で、沸かさずに入浴し、浴後ストーブで温まる。皮膚病、脳神経障害などに特効があるとして、大正末期から浴客が多くなった。1964年(昭和39)やまなみハイウェイが前を通過し、九重(くじゅう)登山基地ともなっている。JR久大(きゅうだい)本線豊後中村(ぶんごなかむら)駅からバス40~50分。

[兼子俊一]

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改訂新版 世界大百科事典 「寒ノ地獄」の意味・わかりやすい解説

寒ノ地獄[温泉] (かんのじごく)

大分県中部,玖珠郡九重(くじゆう)町にある冷泉。九重山北麓の飯田(はんだ)高原一角を占める長者原ちようじやばる)にある。古くから知られ,《豊後国志》には〈寒泉〉とあり,俗に〈氷地獄〉とも呼ばれていた。硫化水素泉,14℃。冷泉に身を浴し,つぎに暖房室で体を暖める,いわゆる冷温療法で,万病によく効くといわれ,遠くから療養に訪れる人が多い。一軒宿があり,九重山登山基地としても利用される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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