朝日日本歴史人物事典 「寒河尼」の解説
寒河尼
生年:保延4(1138)
平安後期・鎌倉時代の女性。源頼朝の乳母のひとり。八田宗綱の娘,下野(栃木県)の豪族小山政光の妻,結城朝光の母。治承4(1180)年10月,武蔵国隅田宿にあった頼朝を訪れ,頼朝より末子朝光に烏帽子を授けられている。乳母の子が主君の烏帽子子となるという緊密な関係がみられる。また,小山一族をいちはやく頼朝に従わせた功をもって,下野国寒河郡(小山市)と網戸郷(小山市)を拝領。そのため網戸尼とも呼ばれ,頼朝と政子にはことに重んじられた。
(田端泰子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報