寧ろ(読み)ムシロ

デジタル大辞泉 「寧ろ」の意味・読み・例文・類語

むしろ【寧ろ】

[副]二つを比べて、あれよりもこれを選ぶ、また、これのほうがよりよいという気持ちを表す。どちらかといえば。「休日は遊びに行くより寧ろ家で寝ていたい」
かえって[用法]
[類語]かえっていっそ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「寧ろ」の意味・読み・例文・類語

むしろ【寧・無乃】

  1. 〘 副詞 〙 ( 漢文訓読に用いられた語 )
  2. 事柄事態の選択を示し、多くあれよりもこれを選ぶという気持を表わす語。どちらかといえば。いっそ。
    1. [初出の実例]「我寧ろ法をば説きたまは不して、疾く涅槃するに入りたまひなましとおもほしき」(出典:山田本妙法蓮華経平安初期点(830頃))
    2. 「夫人は半ば無意識にそれを利用して、寧(ムシ)ろ悪用して」(出典青年(1910‐11)〈森鴎外〉一九)
  3. ( 反語助詞「や」と呼応して ) どうして…しようか、そのようなことはない。
    1. [初出の実例]「若有相にして施を行するいは尚十王の報だも得ず、寧ろ仏の菩提を得むや」(出典:金剛般若経讚述仁和元年点(885))

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