デジタル大辞泉
「寸志」の意味・読み・例文・類語
すん‐し【寸志】
1 少しばかりの志。自分の志をへりくだっていう語。「寸志を表す」
2 心ばかりの贈り物。自分の贈り物をへりくだっていう語。贈り物ののし紙の上などに書かれる。
3 わずかなさしさわりや不満。
「どうだ、―はあるめえね」〈総生寛・西洋道中膝栗毛〉
[類語]中元・歳暮
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
すん‐し【寸志】
〘名〙
① わずかばかりの、こころざし。少しの
気持。また、自分のこころざしをへりくだっていう語。寸心。寸情。微意。
※
明衡往来(11C中か)中末「今有
二此仰
一。彌動
二寸志
一侍」
※
浄瑠璃・孕
常盤(1710頃)二「且は小松が寸志の忠義とげぬも便なく候へば」 〔梁簡文帝‐奉請上開講啓〕
② 心ばかりの贈り物。ささやかな進物。また、少しばかりのもてなし。自分の贈り物やもてなしをへりくだっていう語。
薄謝。
※実隆公記‐文明一六年(1484)一〇月八日「自二甘露寺一号二茶湯料一有二寸志一事」
③
誠意のあふれたちょっとした行為やことば。
厚意の
一端。厚情。
※浄瑠璃・
仮名手本忠臣蔵(1748)九「本蔵殿の寸志
(すンし)により、
敵地の案内知たる上は、泉州堺の天河屋儀平方へも通達し」
④ ちょっとしたさしさわり。また、ちょっとした疑問の気持。文句。手ぬかり。
※人情本・花筐(1841)三「『お湯は沸いてゐますかエ』『そりャア寸志(スンシ)はねえわナ』」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報