将棋遊び(読み)しょうぎあそび

日本大百科全書(ニッポニカ) 「将棋遊び」の意味・わかりやすい解説

将棋遊び
しょうぎあそび

将棋の駒(こま)と盤を使う遊戯のことで、江戸時代以前から伝えられている。同じ将棋遊びでも、各時代、各地によって、すこしずつ遊び方が変わっている。おもな将棋遊びは次のとおりである。

[山本亨介]

はさみ将棋

将棋盤の下段に互いに横一列に9枚の駒を並べ、交互に駒を動かして相手の駒を前後または左右から挟んで取る。早く相手の駒を取り尽くした者が勝ちになる。中国から伝えられたといわれ、江戸時代は主として女性の遊戯になっていた。

[山本亨介]

とび将棋

盤の中央下段に双方、3個ずつ3段に9枚の駒を並べ、互いに1格(盤の升目(ますめ)一つ)ずつ交互に駒を進ませ、相手の駒に会えば、その駒を飛び越えて進んでいく。早く相手陣に入って、3枚ずつ3段に駒を並べ終えた者が勝ちになる。江戸時代は別名「にょいにょい」ともいった。

[山本亨介]

まわり将棋

盤の隅の1格を出発点として、これに持分(もちぶん)の駒1枚を置き、金将の駒4枚を振り、その出ようであらかじめ数を定めておき、その数だけ格を越えて自分の駒を進めていく。早く中心の1格に達した者を勝ちにする。

[山本亨介]

ふり将棋

金将の駒4枚を除いて等分に分け、金将4枚を「まわり将棋」の算法で振り、その数だけ振った者に支払う。「銀行」とも「金振り」ともいう。計算法として、玉将は200点、王将は100点、飛車は70点、角は50点、銀は10点、桂馬(けいま)は5点、香車(きょうしゃ)は3点、歩は1点とする。

[山本亨介]

将棋倒し

将棋の駒を盤の上にすこしずつ間隔を置いて一列に並べ立て、一端の駒を指で押せば、並べた駒が次々に倒れる遊び。『太平記』にみえる用語で、転じて、一端が崩れるにしたがって全体が崩れ倒れるという形容にも用いる。

[山本亨介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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