飛車(読み)ヒシャ

デジタル大辞泉 「飛車」の意味・読み・例文・類語

ひ‐しゃ【飛車】

将棋のこまの一。縦横に何間でも動け、成ると竜王となり、斜め前後にも1間ずつ動ける。飛。
空中を飛ぶという車。
「我が―に相乗せて、仏の御許みもとて参りて」〈今昔・一・二九

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精選版 日本国語大辞典 「飛車」の意味・読み・例文・類語

ひ‐しゃ【飛車】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 空中を飛行する車。飛ぶ車。
    1. [初出の実例]「飛車 兼名苑注云奇肱国人〈今案国人無右臂故名之〉能作飛車従風飛行故曰飛車」(出典:十巻本和名抄(934頃)三)
  3. 将棋の駒の一つ。縦横に制限なく動くことができる。敵陣の三段目以内にはいって龍王となると、さらに斜め四方に一ますずつ動くことができる。角行とともに大駒と呼ばれる。飛。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「飛車は一方の大将なれば後に龍王となる」(出典:咄本・鹿の巻筆(1686)一)

とぶ【飛】 車(くるま)

  1. 空を飛ぶ車。
    1. [初出の実例]「立てる人どもは、装束の清らなる事、物にも似ず。とぶ車一つ具したり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))

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