尉繚子(読み)ウツリョウシ

デジタル大辞泉 「尉繚子」の意味・読み・例文・類語

うつりょうし〔ウツレウシ〕【尉繚子】

中国戦国時代兵法書。尉繚の著とされるが、尉繚の事跡については未詳仁義正道による兵法を説く。

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関連語 平凡社

精選版 日本国語大辞典 「尉繚子」の意味・読み・例文・類語

うつりょうしウツレウシ【尉繚子】

  1. 中国、兵家の書。戦国時代の尉繚(うつりょう)の著といわれる。古来の兵法家の格言などを総合して兵道を説いたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尉繚子」の意味・わかりやすい解説

尉繚子
うつりょうし

中国古代の兵法書。武経(ぶけい)七書の一つ。戦国時代の兵法家、のち秦(しん)の始皇帝(しこうてい)に仕え、国尉(こくい)(軍部長官)に任ぜられた尉繚(うつりょう)の著書。『漢書(かんじょ)』の「芸文志(げいもんし)」雑家(ざっか)に『尉繚』29編、兵形勢家(へいけいせいか)に『尉繚』31編とみえるが、現存の5巻24編は、後者のそれが残存したものとされている。三国時代以後の偽書とする説もあったが、1972年、山東省臨沂(りんぎ)県銀雀山(ぎんじゃくざん)漢墓から出土した『尉繚子』の竹簡によって、覆されることになった。

[篠田雅雄]

『野口定男他訳『中国古典文学全集4 史記上 秦始皇本紀 第6』(1958・平凡社)』

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百科事典マイペディア 「尉繚子」の意味・わかりやすい解説

尉繚子【うつりょうし】

中国の戦国時代の兵学書。尉繚の著。5巻。《孫子》等とともに兵家七書の一つ。

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世界大百科事典(旧版)内の尉繚子の言及

【兵書】より

… そして,その後の歴史を経て定着したものは《武経七書》あるいは単に《七書》とよばれるもので,宋の元豊年間(1078‐85)に,武官の教育のために頒布されたのが始まりである。《孫子》《呉子》のほかに,春秋末期の斉の将軍司馬穣苴(じようしよ)の兵法を伝えるという《司馬法》,戦国時代の魏王に招かれた尉繚(うつりよう)の著書という《尉繚子》,周王朝の創業者太公望呂尚(ろしよう)の著と伝えられる《六韜》,黄石公が伝えたという《三略》の4書と,唐の李靖(りせい)が太宗のために兵を論じたものを後人が編集した《李衛公問対》を合わせたものである。《司馬法》は軍政を主とし,《尉繚子》は実戦をも合わせて賞罰の厳正をいい,《六韜》は最も内容豊富で戦闘技術に及び,この3書は戦国時代のおもかげを伝えているが,《三略》は後漢末の仮託であるらしい。…

※「尉繚子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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