小児外反扁平足(読み)しょうにがいはんへんぺいそく(英語表記)Talipes planovalgus

六訂版 家庭医学大全科 「小児外反扁平足」の解説

小児外反扁平足
しょうにがいはんへんぺいそく
Talipes planovalgus
(運動器系の病気(外傷を含む))

どんな病気か

 赤ちゃんの足底は脂肪組織が豊富で平ら(扁平)にみえますが、通常は2~3歳になると「土踏まず」がはっきりしてきます。一方、何らかの原因で、足の骨にアーチ構造ができないために「土踏まず」ができない(扁平足小児がいます。

原因は何か

 関節が軟らかい(関節弛緩)小児では、体重をかけなければ普通ですが、起立すると足の骨のアーチ構造が体重によって押し込まれて扁平となります。この場合、(かかと)の骨が外反となるため、「外反扁平足」の形となります。関節弛緩以外にも外反扁平となる原因はいろいろなものがあり、なかには先天性垂直距骨(すいちょくきょこつ)など治療が難しい特殊なものもあります。

症状の現れ方

 体重をかけないとわかりませんが、立った時に土踏まずが不明瞭(扁平)となるために気づかれます。

検査と診断

 扁平な状態に加えて、後ろ側から見ると足部の内側が落ち込んで見えて、踵の輪郭が外反(下広がり)となっています。特別な状態(先天性垂直距骨など)でないことの確認のためにX線検査が行われます。

治療の方法

 土踏まずを保つことによって足部骨格が正常に発育するのを助ける目的で、アーチサポート(土踏まず支え)や靴型装具が使われます。年齢が進むと、多くは土踏まずが形成されます。

病気に気づいたらどうする

 放置しても問題ない場合が多いですが、特殊な状態も含めた診断のためには専門整形外科への受診が必要です。

奥住 成晴

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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