アメリカの作家バーネットが『小公子』に次いで書いた、子供のための物語。『セーラ・クルー』として1888年に児童雑誌に掲載されたものが、一部手直しされ、1905年に現在のような形の『小公女』が完成した。主人公のセーラは、父の破産と死という悲劇にもめげず、持ち前の優しさを失わずに、いままで学んでいた寄宿学校で働くうち、父の友人に発見されて、もとの幸福な生活に戻るというシンデレラ物語である。主人公の性格や物語の構成に『小公子』との類似がみられ、『小公子』同様、出版されるとすぐに大成功を収めた。1893年(明治26)若松賤子(しずこ)訳『セイラ、クルーの話』が『少年園』に掲載された。
[掛川恭子]
『吉田勝江訳『小公女』(岩波少年文庫)』
…バーネット夫人はイギリス生れで16歳のときアメリカへ移住。ほかに《小公女》《秘密の花園》がある。【滝田 佳子】。…
※「小公女」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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