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能の分類名。江戸時代,五番立て(一日の番組編成基準に基づく分類法)を正式とした能番組で,四番めに据えられる能。江戸期の型付には,〈雑類〉〈雑物〉〈雑の能〉等と分類されている。現行曲は各流とも約90曲。曲種によって《高野物狂》《蘆刈》《土車》等の男物狂と《百万》《桜川》《三井寺》等の女物狂を総括して〈狂乱物〉,《船橋》《通小町》《阿漕(あこぎ)》等の〈執心物〉,《三笑(さんしよう)》《邯鄲(かんたん)》《天鼓(てんこ)》などの〈遊楽物〉,《鉢木》《盛久》《安宅》等の〈現在物〉などに分類するが,《錦木》《松虫》《梅枝(うめがえ)》等を〈執心遊楽物〉,《摂待(せつたい)》《景清》《鳥追舟》等を〈人情物〉とすることもある。またシテの役柄・使用面から《自然居士(じねんこじ)》《花月》《東岸居士(とうがんこじ)》を〈喝食物(かつしきもの)〉,働事(はたらきごと)から《葵上》《道成寺》《黒塚》(観世流では《安達原》)を〈祈り物〉と分類することもある。要するに,さまざまの曲趣のものが混在している〈雑の能〉であり,中には略の二番めに用いられる曲もある。世阿弥のいうとおり,〈申楽(さるがく)とは神楽〉(《風姿花伝(ふうしかでん)》《申楽談儀》)であって,神を慰め,神の行為の代行をして,〈風月延年〉〈寿福増長〉(《風姿花伝》)をはかるものであろうが,そういう理念に支配される前は,いわゆる劇能が盛んに行われたのであり,その系譜に立つものがかなり〈四番目物〉に含まれていて,のちの歌舞伎劇への先駆ともなった。
執筆者:味方 健
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…曲籍は,番組編成の指針であると同時に,演目の分類ともなっているし,また演出の大まかなめどともなる。すなわち,脇能物はよどみなくさわやかに,二番目物はきびきびと勇壮に,三番目物は優美にしっとりと,四番目物は変化を尽くして面白く,五番目物は手強く足取り速くというのがおよその演じかたである。むろん個々の演目で違いの幅は大きいが,一応の基準にはなるのである。…
※「四番目物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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