小壁(読み)コカベ

精選版 日本国語大辞典 「小壁」の意味・読み・例文・類語

こ‐かべ【小壁】

  1. 〘 名詞 〙 幅が狭く横に長い壁。柱材に囲まれた内壁で、内法長押(うちのりなげし)と天井の間、額長押と天井の間の壁など。
    1. [初出の実例]「四季の四ふく、八景の八ふくの小ゑよこゑなどは、各小かへにかかるゑにて候」(出典:君台観左右帳記(1511))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小壁」の意味・わかりやすい解説

小壁
こかべ

和風建築において、内法(うちのり)材(鴨居(かもい)またはその上に通る長押(なげし)など)より上にある壁をいう。これに準じて洋風建築でも額(がく)長押(出入り口鴨居とほぼ同じ高さで内壁面に通す水平材)から上の部分を小壁とよぶことがある。欄間(らんま)はこれら小壁に開かれるが、もし欄間鴨居やさらにその上に通す長押で小壁が上下に分かれる場合は、上の部分をとくに蟻壁(ありかべ)とよぶ。このほか位置いかんを問わず、ごく小面積の壁を小壁とよぶこともある。

[山田幸一]

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世界大百科事典(旧版)内の小壁の言及

【壁】より

…一方,後者の見地に立てば,外部空間に面する外面壁,内部空間に面する内面壁などの分類が可能で,さらに,外面壁と内面壁とを有する壁を外周壁というといった内容の定義づけも考えられる。壁の位置に関する名称としては,このほかに,窓台の高さより下部の腰壁,鴨居の高さより上部の小壁などがある。また,開口部まわりについて,開口部の上部のたれ壁,側部の袖壁などがあり,重層建物においては,上下階の開口部にはさまれる部分をスパンドレルspandrelと呼ぶことがある。…

※「小壁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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