小林城跡(読み)こばやしじようあと

日本歴史地名大系 「小林城跡」の解説

小林城跡
こばやしじようあと

[現在地名]小林市真方 水ノ手

市街地北東の独立山上にある。西・北・東と石氷いしごおり川が流れて堀の役目を果し、かつては南に池沼があった。宇賀城とも称し、また旧記にみえる「三山城」は当城をさすとされる(三国名勝図会)。城名は文書・記録では三之山みつのやまッ山・三ヶ山などともよばれていた。築城時期は不明だが、当初は北原氏の城であったという(同書)

永禄(一五五八―七〇)初年、当地を含む三之山より東方は伊東氏の勢力下にあった(「箕輪伊賀自記」旧記雑録など)。島津氏と伊東氏が抗争中の同六年二月二三日、島津貴久は敵城破却のため霧島六所大権現に三ヵ条の願文(霧島神宮文書)をなし、その一条目には「至小林之城働之事、指寄候て喜ならは一鬮」とある。翌七年一月、貴久は子息忠平(義弘)飯野いいの(現えびの市)に配置、前掲箕輪伊賀自記には「ミツノ山小林ノ城ニハ伊東勢ヲ差籠メ可防戦ノ用意アリ、飯野ハ尤大事ノ依為堺目、兵庫頭忠平御座ス」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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