小河柴目庄(読み)おがわしばめのしよう

日本歴史地名大系 「小河柴目庄」の解説

小河柴目庄
おがわしばめのしよう

貴志きし川を挟んで北方の柴目付近と、その南に続く小野おの、貴志川南の梅本うめもと川東岸とその源流域一帯(小河)を荘域としたと思われる荘園。本来、石清水いわしみず八幡宮野上庄に含まれた地であったと思われ、承久二年(一二二〇)一二月日付の石清水八幡宮検校祐清譲状(石清水文書)に「同女子得寿姫令譲所々」の一つとして「紀伊国 小川 柴目 七重山 鉾立 長谷村等」とある。「続風土記」にも近世小川庄諸村から「二月初卯順番に八幡宮へ御供米六斗宛を備ふる古き定書あり、今に至りて猶然り」とも記している。

高野山領となる経緯は不詳であるが、東方にはじめ鳥羽院領でのちに高野山領とされた神野こうの庄・真国まくに(現美里町)があり、そこに接したこの地は常に相論の対象とされてきた。康治元年(一一四二)一二月一三日の鳥羽院庁下文案(又続宝簡集)では、神野庄の西限が「佐々少河西峯」とあり、小河の地は神野庄内ということになるが、確実に神野庄内とされていたわけではないようである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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