小篠村(読み)おしのむら

日本歴史地名大系 「小篠村」の解説

小篠村
おしのむら

[現在地名]大月市猿橋町小篠さるはしまちおしの

藤崎ふじさき村の東、桂川右岸に位置する。集落高畑たかはた(九八一・九メートル)倉岳くらたけ(九九〇・一メートル)の北側緩斜面にあり、水田は集落や畑より一段低い桂川沿いに広がる。古くは押野とも書き地名の由来は桂川に向かって山腹から押出した野の形状による。永享五年(一四三三)一一月二四日、関東公方足利持氏は鎌倉鶴岡八幡宮に対して「甲斐国鶴郡押野村半分」を寄進している(「足利持氏寄進状」神田孝平氏旧蔵文書)。同地は甘利近江入道跡の地で、同入道の系譜は不明だが、闕所とされた理由については武田信長・日一揆と跡部氏・輪宝一揆とが争った同年四月二九日の荒川の戦で信長方が敗れ、信長方の近江入道の所領も没収されたという推定がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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