尾張国解文
おわりのくにげぶみ
一冊
別称 尾張国郡司百姓等解文・尾張国守元命朝臣誅求解文
成立 永延二年
写本 早稲田大学図書館(弘安四年)・東京大学史料編纂所(応長元年)・名古屋市真福寺宝生院(正中二年)・鎌倉市金沢文庫(鎌倉末の抄出本)、江戸時代の写本一三種
解説 尾張の郡司・百姓らが国司藤原元命の横暴を三一条に列挙して朝廷に訴え、その停任を申請した文書。古代の尾張政治研究に重要な史料。
活字本 「改定史籍集覧」二四、「新修稲沢市史」資料編三
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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尾張国解文
おわりのくにのげぶみ
永延2 (988) 年 11月8日,尾張国8郡の郡司,百姓らが一致して,国司藤原元命の3ヵ年にわたる暴政を,31ヵ条にまとめて朝廷に訴え,彼の罷免を要請した文書。強制的に正税出挙を行い,定額以上貸付けては利息を取り,租・庸・調のほかに 20種以上の賦課を課するなど,悪政の限りを尽したことを示すもので,地方政治研究の重要な史料。藤原実資の日記『小右記』によれば,元命は翌年 (989) に罷免されている。早稲田大学本,東京大学史料編纂所本,真福寺本など諸本がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の尾張国解文の言及
【尾張国郡司百姓等解文】より
…尾張国解文ともいう。988年(永延2)尾張国内の郡司や有力農民が国守藤原元命の在任中3年間の非法失政を朝廷に直訴した31ヵ条の告訴状。…
※「尾張国解文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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