居流れる(読み)イナガレル

デジタル大辞泉 「居流れる」の意味・読み・例文・類語

い‐なが・れる〔ゐ‐〕【居流れる】

[動ラ下一][文]ゐなが・る[ラ下二]
多くの人が上席から順に並んで座る。列座する。居並ぶ。「役者一同、舞台に―・れての口上
芝居裏方が、場面を転換するまでの時間が短いため、幕が開いても舞台裏にそのまま待機する。
ひとかたまりとなって流れる。
「そのすなごあるは風のまにまに雪とり、或は―・れてありと散り」〈出雲国風土記

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精選版 日本国語大辞典 「居流れる」の意味・読み・例文・類語

い‐なが・れるゐ‥【居流】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ゐなが・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. 固まって流れる。ひとまとまりとなって流れる。
    1. [初出の実例]「其の沙(すなご)或は風の随に雪と零り、或は居流(ゐながれ)て蟻と散る」(出典:出雲風土記(733)秋鹿)
  3. 多くの人々がすわって列になる。順序よく、序列に従って並んですわる。列座する。居並ぶ。
    1. [初出の実例]「内の侍には一門源氏を始て、大名小名居流れたり」(出典:屋代本平家(13C前)八)
  4. よそから移ってきてそのまま住みつく。居続ける。
    1. [初出の実例]「それからこっちに居流(ヰナガ)れて、亭主病死も聞き捨てに、たうとうおれと腐れ縁」(出典:歌舞伎・綴合於伝仮名書(高橋お伝)(1879)四幕)
  5. 舞台裏で働く大道具小道具などの人々が、短時間の場面のため、幕があいても各自の部屋へ引き上げないで、舞台裏で待機の姿勢をとる。

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