日本大百科全書(ニッポニカ) 「層準規制鉱床」の意味・わかりやすい解説
層準規制鉱床
そうじゅんきせいこうしょう
stratabound deposit
鉱床が堆積岩(たいせきがん)の特定の層準strata(層序上のある特定の位置)に結び付けられている鉱床。層準規制型鉱床ともいう。堆積岩中における鉱床の存在位置が特定の地層に規制されていると、その鉱床は堆積岩の堆積過程で生成したか(同生説)、あるいは堆積岩の形成後特定の地層が交代されたか(後生説)という成因上の見解の相違が生じる。そこで、この論争の対象となる鉱床を、成因とは関係させずにまとめる概念として導入された。塊状硫化物鉱床、層状含銅硫化鉄鉱床、含銅砂岩、含金礫岩(がんきんれきがん)は多くの研究者が同生的と考え、スカルン型鉱床は後生鉱床の代表とみなされる。ミシシッピ渓谷型鉛・亜鉛鉱床は両説が主張されている。
[正路徹也]
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