塊状硫化物鉱床(読み)かいじょうりゅうかぶつこうしょう(その他表記)massive sulfide deposit

日本大百科全書(ニッポニカ) 「塊状硫化物鉱床」の意味・わかりやすい解説

塊状硫化物鉱床
かいじょうりゅうかぶつこうしょう
massive sulfide deposit

通常、海底火山活動に伴う熱水噴出によって生成された、緻密(ちみつ)な硫化物鉱石を主とする鉱床火山性塊状硫化物鉱床)をいうが、ミシシッピバレー型鉛・亜鉛鉱床(炭酸塩岩中の鉛・亜鉛鉱床)のうちの不規則な形態をなす鉱床をさすこともある。前者は中央海嶺(かいれい)、海山島弧縁海などの海底火山活動に伴って生成され、不規則塊状、芋(いも)状、繭(まゆ)状、レンズ状、層状の形態をなして産し、鉱石の大部分が鉱石鉱物の緻密な集合体からなる。

 塊状硫化物鉱床は鉱石組成により銅・亜鉛型と亜鉛・鉛・銅型に分けられる。銅・亜鉛型鉱床はさらに、カナダのケベック州ノランダNorandaに分布する酸性~中性の火山岩に伴うノランダ型鉱床、オフィオライトophiolite(造山帯に超塩基性岩、斑糲(はんれい)岩、玄武岩、粗粒玄武岩、チャートなどが複合して産するもの)中の塩基性火山岩に伴うキプロス型鉱床(キプロス島に分布)、砕屑性堆積(さいせつせいたいせき)岩が堆積しつつある海底で活動する中央海嶺の塩基性火山岩に伴う別子型鉱床(べっしがたこうしょう)(別子銅山の層状含銅硫化鉄鉱床)の三つに分けられる。亜鉛・鉛・銅型鉱床は島弧または縁海で活動する酸性岩に伴って生成され、日本のグリーンタフ地域に分布する第三紀中新世生成の黒鉱鉱床がモデル鉱床とされている。火山性塊状硫化物鉱床は、先カンブリア時代から第三紀にわたって生成され、世界各地に広く分布する亜鉛・鉛・銅の重要な資源の一つであるが、現在の太平洋大西洋インド洋地中海などには、海底火山活動に伴う熱水作用によって生成されつつあるものが、深海底調査船によって多数発見されている。

鞠子 正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

最新 地学事典 「塊状硫化物鉱床」の解説

かいじょうりゅうかぶつこうしょう
塊状硫化物鉱床

massive sulfide deposit

火山性塊状硫化物鉱床や堆積層内硫化物鉱床の一部などを指す一般的な名称。塊状という語は,鉱床が内部にあまり脈石鉱物を含まず硫化鉱物の緻密な濃集体であることを示す。正マグマ鉱床や熱水鉱床の一部にも該当するものはあるが,この語を用いることはほとんどなく,もっぱら火山性・堆積性などの層状鉱床に用いる。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...

春隣の用語解説を読む