同生鉱床(読み)どうせいこうしょう

精選版 日本国語大辞典 「同生鉱床」の意味・読み・例文・類語

どうせい‐こうしょう‥クヮウシャウ【同生鉱床】

  1. 〘 名詞 〙 母岩と同時期に形成された鉱床

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「同生鉱床」の意味・わかりやすい解説

同生鉱床
どうせいこうしょう

鉱床を胚胎(はいたい)している岩石を鉱床の母岩というが、鉱床の形成と母岩の形成とが同時におこった鉱床を同生鉱床という。(1)マグマが冷却し、結晶化する途上で鉱石となる元素が分離、濃集して、火成岩中に鉱床を形成したもの、(2)堆積(たいせき)岩が形成されていく過程で、鉄・マンガンなどの酸化物が選択的に沈殿、濃集して生ずる鉄鉱層やマンガン鉱層などはその例である。海底火山の噴火によって溶岩や凝灰岩が形成されるのとほとんど同時期に、硫化物を含んだ熱水溶液が噴出し、硫化物が沈殿して、凝灰岩の中や、溶岩と凝灰岩の間に鉱床が形成されることがある。これも同生鉱床の例である。これに対し、堆積岩や火成岩が形成されたのちに、これらの岩石(母岩)中の割れ目断層に沿って鉱液が通って鉱石が沈殿して形成された鉱脈鉱床などは、母岩の形成後に生じた鉱床で、後生鉱床とよばれている。

[飯山敏道]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「同生鉱床」の意味・わかりやすい解説

同生鉱床
どうせいこうしょう
syngenetic deposit

母岩と同時に生成した鉱床正マグマ鉱床のように地下でマグマから直接分離してできる火成源鉱床や堆積源鉱床の鉄鉱層,石灰岩鉱層などがこれであり,既存の母岩に熱水溶液が沈殿した熱水鉱床など,母岩の生成後に生じた鉱床を,後生鉱床と呼ぶ。

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岩石学辞典 「同生鉱床」の解説

同生鉱床

周囲の岩石と同じ時期に形成された鉱床[Bateman : 1952, Park & MacDiamid : 1964].後生鉱床に対する語で,火成鉱床,鉱層などが含まれる.

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世界大百科事典(旧版)内の同生鉱床の言及

【鉱床】より

…このような場合には火成鉱床にも堆積鉱床にも分類しうる。また鉱床の周囲の岩石(母岩)との成因的関係で同生鉱床,後生鉱床に大別することも行われている。同生鉱床とは,鉱床と母岩がほぼ同時代に同じ地質現象により生成されたものをさし,正マグマ鉱床や堆積鉱床の大部分がこれである。…

※「同生鉱床」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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