ジェームズ・ボールドウィンの小説。1953年刊。1935年早春、14歳の黒人少年ジョンが神への回心を経験した1日の事件を枠組みにし、その義父、伯母、母親の過去における堕落と贖罪(しょくざい)の物語をフラッシュ・バック手法で描く。現実の背景となるのはハーレムの黒人教会だけだが、各人の過去が随所に投入されているため、時間はときに南北戦争当時までさかのぼり、舞台も南部から北部へと拡大される。見方によっては、黒人一家の壮大な年代記ともいえる構成をとる。作者は過去の黒人の生活のなかに、アメリカ黒人全体の「私生児」としての呪(のろ)われた宿命をみている。アメリカ黒人の主体の形成に触れる物語であり、「抗議小説」の傾向を脱した指標的作品。
[関口 功]
『斎藤数衛訳『山に登りて告げよ』(『黒人文学全集3』所収・1968・早川書房)』
[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
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