山名氏城跡(読み)やまなししろあと

国指定史跡ガイド 「山名氏城跡」の解説

やまなししろあと【山名氏城跡】


兵庫県豊岡市にある山名氏の城跡。指定名称は「山名氏城跡 此隅山城跡(このすみやまじょうあと) 有子山城跡(ありこやまじょうあと)」。出石町宮内にある此隅山城は、本国但馬における守護所として重要な役割をはたし、出石町内町にある有子山城はその山名氏の盛衰を示す遺跡であり、かつ織豊期における城の形態を良好に示していることから、1996年(平成8)に両城をあわせ「山名氏城跡」として国の史跡に指定された。山名氏は室町幕府において四職家の一つで、全国66ヵ国のうち、11ヵ国を支配する勢力をもち、六分一殿と呼ばれた。此隅山城は山名氏の本城であり、文中年間(1372~75年)に山名師義(もろよし)が築城したという。標高140mの此隅山頂を中心に四方に延びる尾根上に郭(くるわ)を多数設け、南西に延びる尾根上の郭は千畳敷呼称がある。1569年(永禄12)、織田軍の但馬攻めで落城後、山名祐豊(すけとよ)は此隅山の南2.5km、標高321mの急峻な有子山山頂に城を築いたが、1580年(天正8)、再び但馬攻めにあい、有子山城も落城。但馬から山名氏嫡流は滅び、現在、有子山城は後に築かれた石垣を残すだけとなった。此隅山城跡へは、JR山陰本線豊岡駅から全但バス「出石」下車徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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