兵庫県北東部、出石郡にあった旧町名(出石町(ちょう))。現在は豊岡(とよおか)市の中央部を占める一地区。旧出石町は1889年(明治22)町制施行。1957年(昭和32)室埴(むろはに)、小坂(おさか)、神美(かみよし)の3村を合併。2005年(平成17)豊岡市に合併。国道426号、482号が通じる。円山(まるやま)川の支流出石川のつくる河谷盆地に立地し、出石神社の祭神、但馬(たじま)の開発神天日矛(あめのひぼこ)の伝説や条里遺構、9世紀初頭まで但馬国府など開発の歴史は古い。14世紀からは、山陰地方を押さえた山名(やまな)氏が本拠を置き、江戸時代中期からは仙石(せんごく)氏5万8000石余の城下町として栄えた。明治以後は、鉄道を避けたため繁栄を豊岡市に譲ったが、史跡や町並みに城下町のおもかげを残し(重要伝統的建造物群保存地区)、「但馬の小京都」とよばれている。農業のほか白色磁器の出石焼(伝統的工芸品)、丹後縮緬(たんごちりめん)系統の但馬縮緬、柳行李(ごうり)、鞄(かばん)などの柳(きりゅう)製品があり、皿そばが名物である。旧町役場付近に建つ時計台の辰鼓櫓(しんころう)は町のシンボルとなっており、かつては辰(たつ)の刻に太鼓を打って時を知らせた櫓(やぐら)であった。武具、民俗資料を展示する史料館などがある。
[大槻 守]
『荒井季雄著『郷土誌出石』(1980・名著出版)』▽『『出石町史』全5冊(1984~1995・出石町)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...