山岳波(読み)サンガクハ(その他表記)mountain wave

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山岳波」の意味・わかりやすい解説

山岳波
さんがくは
mountain wave

風が山を越えるとき,山の上空や風下側に発生する定在波成層の状況によっては強い乱気流を伴うことがある。富士山付近で見られるレンズ雲笠雲は山岳波の発生を示している。1966年3月に英国海外航空 BOACボーイング 707旅客機が富士山付近で遭難したのは,富士山の風下側にできた強い山岳波による乱気流により機体空中分解したためといわれている。

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世界大百科事典(旧版)内の山岳波の言及

【グライダー】より

…とくに上昇気流がある場合には,降下速度がその分だけ減るので,滑空距離や耐空時間が延びる。上昇気流は,市街地や畑地の上空に見られる熱気泡,山の風上側斜面に見られる斜面上昇風,山の風下側に生ずる山岳波,寒冷・温暖前線の暖空気の側に見られる前線上昇風などに存在し,これらの上昇気流をうまくつかまえて利用することが,グライダーの長距離滑空では重要になる。
[離陸方法]
 グライダーの発進には,かつてはゴムの索を用いてパチンコ式に打ち出す方法もあったが,現在多く使われているのは,自動車や飛行機によってロープで引いてもらうか,ウィンチでロープを巻きとってもらう方式である。…

※「山岳波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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