日本大百科全書(ニッポニカ) 「レンズ雲」の意味・わかりやすい解説 レンズ雲れんずぐも 凸レンズのような形の雲。楕円(だえん)形のことも、複雑な形をしていることもあるが、共通点は風に流されないことである。風が山などの地形によって上下にうねり、波動の峰の部分に雲が発生したもので、雲の位置は動かなくても、内部の空気も雲粒も絶えず入れ替わっている。前線の近くに発生するので、雨の前兆とされる。つるし雲ともいう。十種雲級では、レンズ雲の高さによって、巻積雲(けんせきうん)、高積雲、層積雲に分類される。イタリアのエトナ山にかかるレンズ雲は、「風の伯爵夫人」とよばれることがある。[木村龍治][参照項目] | 雲 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レンズ雲」の意味・わかりやすい解説 レンズ雲レンズぐもlenticularis 雲の種の名で,レンズの形をした雲。非常に長く伸びていることが多く,輪郭がはっきりしている。地形の影響でできることが多いが,地形の影響がない場所に現れることもある。上空の風が強いときによく現れる。主として,巻積雲,高積雲,層積雲などに現れる。太陽や月の近くでは彩雲となることがある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報