山村政明(読み)ヤマムラ マサアキ

20世紀日本人名事典 「山村政明」の解説

山村 政明
ヤマムラ マサアキ

昭和期の社会運動家 日本社会での苦闘の末焼身自殺した在日朝鮮人2世。



生年
昭和20(1945)年6月

没年
昭和45(1970)年10月6日

出生地
山口県

別名
朝鮮名=梁 政明

経歴
在日朝鮮人2世。9歳の時家族が日本に帰化。家は貧しく、朝鮮人としてさげすまれた。高校を出て一時就職後、文学を目指し、自活して早大に入るが、資金が続かず露文科を断念、夜間部に通う。学園闘争にも参加。キリスト者として日本帰化に疑問を持ち、朝鮮人として生きようと努め、同人誌には朝鮮名・梁政明で執筆。自己確認と差別的な日本社会の中の苦闘、異民族ゆえの失恋、対立セクトによる暴行、経済的破綻などに耐えられず、日本社会への抗議嘆願書を残し、朝鮮統一を願いながら焼身自殺した。遺稿集「いのち燃えつきるとも」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山村政明」の解説

山村政明 やまむら-まさあき

1945-1970
昭和20年6月在日朝鮮人2世として山口県に生まれる。小学生の時,家族とともに日本国籍を取得。昭和39年広島の東洋工業(現マツダ)にはいるが,同年退社。貧困のなかで早大にまなぶ。日本社会での民族差別に抗議し,45年10月6日「抗議・嘆願書」をのこして焼身自殺した。25歳。筆名は梁政明。遺稿集に「いのち燃えつきるとも」。
格言など】人間として生きる権利を阻害されている人々が数多くいます。私たちは自己一身の幸福追求のみならず,お互いの人間性を尊重し,すべての人の幸福を追求したいものです(「いのち燃えつきるとも」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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