山王御旅所跡(読み)さんのうおたびしよあと

日本歴史地名大系 「山王御旅所跡」の解説

山王御旅所跡
さんのうおたびしよあと

[現在地名]能代市清助町

清助せいすけ町西端の南側砂丘上にある日吉ひよし神社の旧社地(→日吉神社。周囲は後谷地うしろやち国有林で松林。現在は一〇間四方くらいの場所に柵が回されているが、建物はない。享保一三年(一七二八)の能代町絵図(能代市役所蔵)に、沖口おきのくち番所の南方の山上に山王御旅所とある。

旧暦六月一三―一五日の日吉神社の渡御祭には、五町組の当番町を先頭に神幸行列が現社地から御旅所まで続いた。野代山王社由来記に永禄年間(一五五八―七〇)山王社を日和ひより山に移し、文禄年間(一五九二―九六)盤若はんにや山へ移し、さらに寛永年間(一六二四―四四)悪土野あくとの(現日吉町)に移したとある。また、能代鎮守日吉神社由緒記(能代市史稿)に天文二年(一五三三)清水政吉に夢の告げがあり、海で山王大権現の神体を拾い、姥が懐うばがふところの東北川中島の八幡社のそばに小祠を設け、弘治年間(一五五五―五八)川筋変化によって山王を川向いの小館おだてに移し、さらに永禄年中に日和山へ移したとある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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