山雲床(読み)さんうんじょう

精選版 日本国語大辞典 「山雲床」の意味・読み・例文・類語

さんうん‐じょう‥ジャウ【山雲床】

  1. 名茶席の一つ。京都紫野の大徳寺孤篷庵にある茶室。孤篷庵は、寛政五年(一七九三)に焼失し、程なく松平不昧後援で再興された。そのとき、密庵(みったんのせき)を写して、新たに遠州好みに創作されたもの。席名は、「碧巖録」の「話尽山雲海月情」から出たという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山雲床」の意味・わかりやすい解説

山雲床
さんうんじょう

京都・大徳寺塔頭(たっちゅう)孤篷庵(こほうあん)にある茶室で、書院直入軒(じきにゅうけん)と四枚襖(ふすま)の口で接している。1793年(寛政5)に焼失する以前の直入軒にあった茶室「縄枢(じょうすう)」にかわり付け加えられた。四畳半台目(だいめ)で、密庵(みったん)を範としているが、上り口の縁がなく、違い棚密庵床(どこ)とよばれる押板風の書院床も省略されている。また、床に墨蹟窓(ぼくせきまど)、茶道口側の小壁に下地窓(したじまど)をあけるなど、遠州好みの構成と意匠を保持しながら、開放感を添える新たなくふうも凝らされている。

中村昌生

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