下地窓(読み)シタジマド

デジタル大辞泉 「下地窓」の意味・読み・例文・類語

したじ‐まど〔したヂ‐〕【下地窓/助枝窓】

壁下地の竹またはあしをそのままにした窓。多く茶室に用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「下地窓」の意味・読み・例文・類語

したじ‐まどしたヂ‥【下地窓】

  1. 〘 名詞 〙 壁の一部を塗り残し、下地木舞(こまい)を見せた窓。茶室に多く用いられる。
    1. [初出の実例]「土の中よりよしは出けり、手ぎはにもしたる数寄やの下地窓〈慶友〉」(出典:俳諧・犬子集(1633)一四)
    2. 下地窓〈愛知県如庵〉
      下地窓〈愛知県如庵〉
    3. [初出の実例]「たしなみ事おはって出べき程、下地窓(シタヂマド)より吹入春風におどろき」(出典評判記難波の㒵は伊勢白粉(1683頃)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「下地窓」の意味・わかりやすい解説

下地窓
したじまど

日本の和風建築における窓の一種農家土間にみられるような土壁の一部を塗り上げずに、壁下の小舞(こまい)をそのまま現した窓。「塗り残し窓」「塗りさし窓」「掻(か)きさし窓」ともいい、円形または方形にあけられたものがある。千利休(せんのりきゅう)がこれを数寄屋(すきや)に採用してから、本来は素朴な下地窓が、意匠を主にした多彩なものになった。

 数寄屋の下地窓は、窓内に現れる下地の小舞を、実際の壁下地とは別につくっており、小舞には割竹、篠(しの)竹、錆(さび)竹、煤(すす)竹などや、ヨシハギを用いて藤(ふじ)づるを巻き付ける。小舞の間隔も疎にしたり密にしたり、また一部配列を変えたりして趣向を凝らすことが多い。

[工藤圭章]

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家とインテリアの用語がわかる辞典 「下地窓」の解説

したじまど【下地窓】

土壁の一部を塗り残して壁下地(木舞(こまい))を露出させた窓。もと民家などで使われていたが、茶室数寄屋造りなどに取り入れられ、広く用いられるようになった。その内側障子を掛ける場合もある。◇「塗りさし窓」「塗り残し窓」「かきさし窓」などともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の下地窓の言及

【茶室】より

…柱は丸太を通例とし,壁は土壁で,柱の見える真壁(しんかべ)構造である。壁面には壁を塗り残した下地(したじ)窓や連子(れんじ)窓があけられる。
[間取り]
 茶室の構造の基本は間取りであり,間取りによってほぼその茶室の構成や持味を推しはかることができる。…

【窓】より

…開閉方式により,引違い窓,上げ下げ窓,回転窓,開き窓,開閉のできない嵌(はめ)殺し窓などに分けられる。構造形式によっては,網窓,縁なし窓,格子窓,連子(れんじ)窓,無双窓,武者窓,下地窓などに分類され,建具を重ねた二重窓,三重窓もある。また作者に由来するものに,織部窓がある。…

※「下地窓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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