屹然(読み)キツゼン

デジタル大辞泉 「屹然」の意味・読み・例文・類語

きつ‐ぜん【×屹然】

[ト・タル][文][形動タリ]
山などが高くそびえ立つさま。「屹然たる高峰
孤高を保ち周囲に屈しないさま。
自己本領―として山岳と高きを争い」〈子規歌よみに与ふる書

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精選版 日本国語大辞典 「屹然」の意味・読み・例文・類語

きつ‐ぜん【屹然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用タリ 〙
  2. 山や建物などの高くそびえ立つさま。
    1. [初出の実例]「秋菌春蒲両屹然、為炉為注総無縁」(出典:寛斎先生遺稿(1821)三・古銅爵)
    2. 「更に前方即ち東方に天神橋屹然として起り」(出典:一年有半(1901)〈中江兆民〉一)
  3. まわりの状況に影響されないで、ある状態をしっかり保っているさま。
    1. [初出の実例]「両陣皆喪首領。猶屹然相対」(出典:日本外史(1827)九)

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普及版 字通 「屹然」の読み・字形・画数・意味

【屹然】きつぜん

高くそびえ立つさま。漢・王延寿〔魯の霊光殿の賦〕漸臺、池に臨み、曲九す。屹然として特(ひと)り立ち、爾(てきじ)として形を殊(こと)にす。

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