岡富別符・岡富庄(読み)おかとみべつぷ・おかとみのしよう

日本歴史地名大系 「岡富別符・岡富庄」の解説

岡富別符・岡富庄
おかとみべつぷ・おかとみのしよう

豊前宇佐宮領の庄園。五ヶ瀬川下流域北岸、現延岡市岡富町・高千穂通たかちほどおり山下やました町などを含む一帯に比定される。宇佐大鏡に「岡富別符」とみえ、本庄(臼杵庄)の四至内の荒野を開発し別符を立てたものであった。臼杵庄は治暦二年(一〇六六)に成立しており、これ以後の成立である。岡富の地には臼杵郡の惣鎮守今山いまやま八幡宮がある。嘉保元年(一〇九四)に同宮の官庁(神官の長)職に田部(のち土持氏)光海が就任しており(「今山八幡宮旧記」今山八幡宮文書)、この時期が別符の成立と関連があるかもしれない。安元二年(一一七六)二月日の八幡宇佐宮符写(奈多八幡縁起私記)によれば、岡富別符から宇佐宮行幸会の綾御船の水手一人、色々雑物として御服綿一〇両・手作布三段・麻布三段・色革四枚・紅花一〇両・空青三〇両・銅一七両一分五朱を出している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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