岡集落(読み)おかしゅうらく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「岡集落」の意味・わかりやすい解説

岡集落
おかしゅうらく

平野の内陸部にある古い集落。この集落は近世に成立した平野の中央部の新田集落や,海岸の近くに分布する納屋集落 (ともに子村 ) の親村となることが多い。千葉県の九十九里浜のものが典型で,台地崖端水利に恵まれたところに自然的に発生した。岡集落の地主網元となり,小作人や納屋集落の漁民は網子となった者が多かった。近年では親村,子村の関係や,網元,網子の関係も薄らぎ,それぞれ独立の村落社会を形成している。

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世界大百科事典(旧版)内の岡集落の言及

【九十九里浜】より

…矢指浦とも呼び,6町を1里として矢を砂浜に立てて測ったところ99里あったのが地名の起源という頼朝伝説が残る。臨海村落は3列で内陸から岡を語尾とする岡集落,その前面に新田を語尾とする新田集落,さらに南半は納屋,北半は浜を語尾とする納屋集落が並ぶ。九十九里浜は古くからイワシ漁で有名な地で,地引網は戦国末期に関西の漁民の技術を導入して始まったといわれる。…

※「岡集落」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」