親村(読み)オヤムラ

デジタル大辞泉 「親村」の意味・読み・例文・類語

おや‐むら【親村】

おやごう(親郷)」に同じ。⇔枝村

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日本歴史地名大系 「親村」の解説

親村
おやむら

[現在地名]藤橋村鶴見つるみ

西杉原にしすぎはら村の下流筋にあたり、同村枝郷。正保郷帳では尾張藩領で、畑五五石余・山年貢二石余・紙桑高五石余のほか、小物成に入木六四束・ひそ木二〇本があった。元禄郷帳では大垣藩領。延宝二年(一六七四)御用留(所文書)では家数一四・人数五三。明治五年(一八七二)村明細帳によれば畑五六石余・六町四反余、家数一五、男三九・女四六、牛一〇。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「親村」の意味・わかりやすい解説

親村
おやむら

新田の開発や集落の移動などで新しくできた子村に対して,その出身地である古村さし,母村,本村 (ほんむら) ともいう。親村は主として自然発生的集落で,多くは集落の立地条件としての地形水利などに恵まれた地域に分布する。たとえば,武蔵野台地における新田集落は,主として台地面上に分布するのに対して,その親村はおもに台地の近縁河岸段丘の上や,狭山丘陵加治丘陵のふもと,あるいは,台地の東部浸食谷の谷頭の付近などに成立したものが多い。親村と子村とは社会的,精神的な結びつきが強く,同一の神社の氏子関係や同一の菩提寺をもつなど,村落共同体としてのつながりが密接であったが,現在ではその関係は薄れている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「親村」の意味・わかりやすい解説

親村
おやむら

江戸時代、子村分出の母体となった村落。母村(ははむら)、本村(ほんむら)ともいう。新田開発海岸湖沼などの干拓地低湿地、台地上などに対して行われたが、古くから開かれた周囲の本村から開発地に分かれ出た子村は、神社の氏子関係や菩提(ぼだい)寺も親村と同一で、村落共同体としての意識のうえでも親村と深いかかわりがあった。当初は名主も親村名主が兼務し子村に対して支配的な関係にあったが、漸次子村が自立し、親村からの離脱を深めた。

[中田榮一]

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