岩井堂岩陰遺跡(読み)いわいどういわかげいせき

日本歴史地名大系 「岩井堂岩陰遺跡」の解説

岩井堂岩陰遺跡
いわいどういわかげいせき

[現在地名]雄勝町上院内 矢込沢

雄物川の上流右岸、上院内かみいんない集落の南に位置する。国有林山地の裾部を巡る延長約八〇メートルの凝灰岩岩壁前面の四洞穴からなる。岩壁前には幅約一〇〇メートルの畑地を隔てて小渓流が流れる。標高約二〇〇メートル。

古くから知られた遺跡であったが、昭和三八年(一九六三)から三ヵ年にわたって発掘調査が行われ、縄文早期から古代に及ぶ各時代の遺物出土。第一洞穴から土器片四八、第二洞穴からは石器片六四、土器片六〇二を得た。第四洞穴の第二・第三・第五および第七層は遺物包含層で、木炭と煉瓦色に焼けた凝灰岩が多量に含まれ、第七層の黒色土層には炉囲とみられる崩岩の組石がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の岩井堂岩陰遺跡の言及

【雄勝[町]】より

…国道108号線沿いに湯量が豊富で素朴な秋ノ宮温泉郷(湯ノ又,鷹ノ湯,稲住,湯ノ岱)があり,自然休養村に指定されている。鮞状(じじよう)ケイ石(天)や縄文前期~弥生時代の岩井堂岩陰遺跡があり,小野には小野小町出生地の伝説が伝わる。【佐藤 裕治】。…

※「岩井堂岩陰遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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