現存する日本泳法の一流派。紀州三流派の一つで、1710年(宝永7)紀伊徳川藩士の岩倉郷助重昌(ごうすけしげまさ)が、諸士水芸世話を仰せ付かったのに始まる。岩倉流は、家元が川上家に移った一時期、川上流と称したこともあった。1906年(明治39)7月に紀州三流派は大日本武徳会和歌山支部水練部として統合された。その後、能島(のじま)、小池の2流派は和歌山を離れ他の地(大阪、名古屋など)に移ったが、岩倉流は和歌山にとどまった。泳法は蛙足(かえるあし)を主体としており、能島流、小池流によく似た泳法で、平泳、抜手、二ッ掻(かき)、鰡飛(いなとび)、掻分(かきわけ)、水入(すいり)鰡飛、立泳などがある。岩倉流の伝書には『岩倉流遊泳術書』がある。
[笹島恒輔]
…のち三田尻(山口県)に〈武田流〉として伝わる。(3)岩倉流 熊本の人,岩倉重昌が宝永年間(1704‐11)に紀州において開創したといわれ,のち川上家に移り,川上流となる。立体を主とする。…
※「岩倉流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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