平泳ぎ(読み)ひらおよぎ

百科事典マイペディア「平泳ぎ」の解説

平泳ぎ【ひらおよぎ】

泳法の一種。競泳種目の一つ。ブレストストロークbreaststrokeとも。水面に伏し,進行方向に伸ばした両腕で同時に左右に円を描くように水をかく。両足は(ひざ)を曲げて同時に引き寄せ,斜め後方へ蹴(け)るように伸ばしてから水をはさみつけるように合わせる(蛙(かえる)足)。競泳の場合,スタートとターンの後の腕の一かき,足の一蹴りを除いては頭部は水面の上になければならない。またターンの時は,両手を同時にタッチしなければならない。オリンピックでは1904年のセントルイスオリンピックで男子200m平泳ぎが正式種目となり,1968年メキシコシティーオリンピックで100mが加わった。女子は200mが1924年のパリオリンピックから,100mがメキシコシティーオリンピックから正式種目となった。しかし泳法に関する規定はめまぐるしく変化したために記録を比較することは困難である。日本は他の競泳種目に比べて日本人の体型から生じる不利が少ないためこの種目は比較的得意としてきたといえ,男子200mでは1928年のアムステルダムオリンピック,1932年のロサンゼルスオリンピック,1936年のベルリンオリンピックと3大会連続で金メダル獲得(鶴田義行2度,葉室鐡夫)を達成している。戦後も1956年のメルボルンオリンピック古川勝が金,吉村昌弘が銀,1960年ローマオリンピックで大崎剛彦が銀,1972年のミュンヘンオリンピックで田口信教が銅,さらに2004年のアテネオリンピック,2008年の北京オリンピック北島康介が連続して金メダルを獲得,2012年のロンドンオリンピック立石諒が銅メダルを獲得している。男子100mでは1972年ミュンヘンオリンピックで田口が金メダル,2004年のアテネオリンピック,2008年の北京オリンピックで北島が2大会連続の金メダルに輝いた。北島は2大会で4つの金メダル獲得という偉業を達成した。女子では,1932年のロサンゼルスオリンピックで前畑秀子が銀,1936年のベルリンオリンピックで同じく前畑が金メダルを獲得。1992年のバルセロナオリンピック200mで岩崎恭子が金メダルを獲得,岩崎は14歳6日での快挙で日本選手としてのオリンピックメダル獲得最年少記録となった。2012年ロンドンオリンピックでは鈴木聡美が100mで銅,200mで銀メダルを獲得している。バタフライ泳法はこの平泳ぎから派生して誕生した。
→関連項目個人メドレー水泳メドレーリレー

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デジタル大辞泉「平泳ぎ」の解説

ひら‐およぎ【平泳ぎ】

泳法の一。からだを水平下向きにして伸ばし、両手を前方から左右対称に開きながら水をかき、脚の動作は蛙足を用いる。ブレスト。ブレストストローク。
[補説](長水路記録 2021年3月現在)
▽50メートル
世界記録男子:25秒95(2017年7月25日 アダム=ピーティ 英国)
世界記録女子:29秒40(2017年7月30日 リリー=キング 米国)
日本記録男子:26秒94(2018年6月17日 小関也朱篤(こせきやすひろ))
日本記録女子:30秒64(2018年4月3日 鈴木聡美)
▽100メートル
世界記録男子:56秒88(2019年7月21日 アダム=ピーティ 英国)
世界記録女子:1分4秒13(2017年7月25日 リリー=キング 米国)
日本記録男子:58秒78(2018年6月17日 小関也朱篤)
日本記録女子:1分5秒88(2014年6月19日 渡部香生子(わたなべかなこ))
▽200メートル
世界記録男子:2分6秒12(2019年7月26日 アントン=チュプコフ ロシア)
世界記録女子:2分19秒11(2013年8月1日 リケ=ペダーセン デンマーク)
日本記録男子:2分6秒67(2017年1月29日 渡辺一平)
日本記録女子:2分19秒65(2016年4月9日 金藤理絵

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「平泳ぎ」の解説

平泳ぎ
ひらおよぎ
breaststroke

両腕両足を左右に開いて進む泳法。ブレストストロークともいう。水面に伏し,両腕は,肩の前に伸ばした状態から広げてかき始め,肩の横の少し手前で手のひらを返すように胸の下でかき終わり,再び前方に伸ばす。両脚は,伸ばした姿勢から腰のあたりへ膝を曲げて引き寄せ,足先を外に向け両脚を広げるようにして蹴る蛙足 (かえるあし) を用いる。競泳の種目としては,100mと 200mがある。クロールバタフライ出現によって最もルールの厳しい種目となっており,(1) ターンとゴールのタッチは,両手で同じ高さにかつ同時に行なう,(2) 身体の動きは常に左右対称に保つ,などの制約がある。スタートとターン後の浮き上がりでは,水面下で1ストロークと1キックは許されるが,浮上後は1ストロークと1キックの一連の動作中に,少なくとも1回は頭の一部が水面上に出ていなければならない。

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