岩城準太郎(読み)いわきじゅんたろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩城準太郎」の意味・わかりやすい解説

岩城準太郎
いわきじゅんたろう
(1878―1957)

国文学者。富山県生まれ。東京帝国大学国文学科卒業。中学教師、旧制四高教授を経て奈良女高師教授。1906年(明治39)上梓(じょうし)の『明治文学史』は明治史展開のうえにジャンルの発展をたどり、作家、作品を位置づけ、近代文学史構想の祖型となった。大正期の『明治大正の国文学』(1925)は二葉亭四迷(ふたばていしめい)、北村透谷(とうこく)以下「開拓者の悲劇」を系列化し、昭和期の論集『国文学の諸相』(1928)、『国文学群像』(1941)、通史『新修日本文学史』(1938)は研究史上の道標となった。

中村 完]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岩城準太郎」の解説

岩城準太郎 いわき-じゅんたろう

1878-1957 明治-昭和時代の国文学者。
明治11年3月12日生まれ。四高教授をへて,大正4年奈良女高師教授。「明治文学史」(明治39年刊)をあらわし,明治文学をはじめて体系的にとらえた。昭和32年4月9日死去。79歳。富山県出身。東京帝大卒。著作ほかに「明治大正の国文学」「新修日本文学史」など。

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