岩永村(読み)いわながむら

日本歴史地名大系 「岩永村」の解説

岩永村
いわながむら

[現在地名]秋芳町大字岩永本郷いわながほんごう・大字岩永下郷いわながしもごう

北は岩永台(秋吉台の西部)を境に嘉万かま秋吉あきよし、東は綾木あやぎ真名まな(現美東町)、西は河原かわら(現美祢市)の各村に接し、南は厚狭あさ郡。村の北部を本郷、南部を下郷といい、本郷を赤間関あかまがせき街道(中道筋)が、下郷を肥中ひじゆう街道がそれぞれ東西に通る。東部を厚東ことう川が南流する。

岩永の名は「正慶乱離志」正慶二年(一三三三)四月六日条に「如風聞者、長門国厚東・秋吉・岩永・由利伊佐・ア□・マツヤ・河越・アサ、皆参先帝御方云々」とみえ、中世岩永の在名をもつ者がいたことがわかる。正平一九年(一三六四)二月一日付足利直冬御教書(吉川家文書)に「長門国岩永郷岡部一族等跡同国三原大嶋、并出雲国比伊郷伊北一族等跡等地頭職事、為勲功之賞所充行也」とあり、吉河駿河守を岩永郷等の地頭職に補している。伊勢神宮の御師が守札の配布先を記した中国九州御祓賦帳の享禄五年(一五三二)分に「岩長の岡部七郎殿」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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