岩瀬川(読み)いわせがわ

日本歴史地名大系 「岩瀬川」の解説

岩瀬川
いわせがわ

大淀川の一次支流で一級河川。源流域は小林市北部熊本県境近くのジョウゴ岳(九七九・六メートル)付近で、数流を集めて山間部を南へ流れ下り、小林市と野尻のじり町・高原たかはる町境付近で辻の堂つじのどう川と合流。野尻盆地の南縁を東流し、岩瀬ダムのある野尻町竹元たけもと地区下流で大淀川に合流する。全長およそ六〇キロ。上流域の小林市東方ひがしかた地区でははま川とよばれ、九州山地に深いV字谷を刻んで流れる。流域面積の九五パーセントは傾斜地で、谷底平野の形成は東方地区の木切倉ききりくら辺りまで下らないとみられない。木切倉から上流およそ四キロの渓谷三之宮さんのみや峡とよばれる景勝地で、最下流部に奇石陰陽石がある。この一帯は九州山地の南縁にあたり、第四紀更新世初期の火山活動による噴出物溶結凝灰岩が基層をなしている地域で、陰陽石はその浸食地形である。岩瀬川にある大小一五の支流のうち、小林盆地を挟むようにして東流する北部の石氷いしごおり川と南部の辻の堂川が重要で、ともに盆地を潤す給水源となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の岩瀬川の言及

【大淀川】より

…上流は都城(みやこのじよう)盆地南部の標高500m内外の山地に源を発して,東側から萩原川,沖水川,西側から横市川,庄内川などを合して盆地内を北流する。盆地北部の標高350m内外の山地を約10kmにわたって浸食し,西方の小林盆地を排水して東流する岩瀬川を合わせて東に曲がり,高岡町を経て宮崎平野の広い沖積地を形成し,宮崎市西部で北西から流れる本庄川を合流して日向灘に注ぐ。この川の上流には都城市,小林市,下流には宮崎市があって,流域の市町村人口の合計は県総人口の約半分を占めており,県の中心的河川である。…

※「岩瀬川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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