改訂新版 世界大百科事典 「小林盆地」の意味・わかりやすい解説
小林盆地 (こばやしぼんち)
宮崎県南西部にある盆地。中心都市は小林市。盆地の形成は姶良(あいら)火山や霧島火山の活動と関連しているという。盆地は東西約15km,南北約10km,盆地底は西部で標高200m,東部で150mである。盆地周辺には標高300m内外のシラスや礫(れき)層の台地があり,盆地底とは急斜面をなす。北部は九州山地,南部は霧島火山群に連なり,東部および西部は都城盆地,加久藤(かくとう)盆地との間に低い丘陵性の山地がある。盆地内の水は浜瀬川,石氷川,辻の堂川などを合わせる岩瀬川が東に流れて盆地壁を破り,都城盆地を排水して北に流れる大淀川に合流する。年間降霜日数は約70日,降水量は年平均2600mmである。盆地底では良質米を産し,台地上では野菜の生産,乳牛,肉牛,豚の飼育が盛ん。浜瀬川上流部には溶結凝灰岩を浸食した三ノ宮峡があり,奇岩〈陰陽石〉で知られる。
執筆者:下村 数馬
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報