峰上・嶺上郷(読み)みねがみ・みねがみごう

日本歴史地名大系 「峰上・嶺上郷」の解説

峰上・嶺上郷
みねがみ・みねがみごう

現富津市のみなと川上流域に比定される中世・近世の広域地名。永享三年(一四三一)八月二五日の小志駒普賢こじこまふげん寺旧蔵懸仏銘には大貫おおぬき・峰上・師子馬しこまとあり、檀那大夫五良が薬師堂にこの懸仏を寄進している。永正六年(一五〇九)里見実尭により焼失した鎌倉鶴岡八幡宮の造営が天文元年(一五三二)北条氏綱により計画され、同四年八月その用材、とくに鳥居用材二本などを当地で伐採し、翌年二月には数千人の人夫が派遣され、材木の山出しが始められ、三月には材木七〇余丁が到着している。しかし同六年五月里見義尭が真里谷武田氏の内訌に介入したことで北条氏と対立、義尭や諸侍が材木の供給に反対したため、北条氏は小弓公方の足利義明や真里谷大学入道全方を介して伐採を進め、同年六月峰上谷から佐貫さぬき市場浦までの川出しができたという(快元僧都記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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