島根原発(読み)しまねげんぱつ

共同通信ニュース用語解説 「島根原発」の解説

島根原発

松江市に立地する中国電力原発。東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉。1号機(46万キロワット)は1974年、2号機(82万キロワット)は89年に営業運転を開始した。1号機は廃炉作業中。2号機は再稼働後、2024年12月下旬に発送電を開始し、25年1月上旬の営業運転再開を目指す。改良型沸騰水型の3号機(137万3千キロワット)も30年度までの新規稼働を目標とし、原子力規制委員会の審査中。住民避難計画の策定が必要な半径30キロ圏内に島根、鳥取の2県6市がある。

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百科事典マイペディア 「島根原発」の意味・わかりやすい解説

島根原発【しまねげんぱつ】

中国電力島根原子力発電所。島根県松江市鹿島町(旧八束郡鹿島町)片句。日本で唯一県庁所在地にある原発。電力会社設置した原発としては日本で三番目に開設された。1〜3号機。1号機は沸騰水型軽水炉で1974年運転開始,国産第1号の原子炉である。2号機は沸騰水型軽水炉で,1989年運転開始。3号機は改良型沸騰水型軽水炉で建設中。2015年度までに2号機でプルサーマルの実施を目指している。2011年3月の福島第一原発事故のときには1号機は定期点検中,2012年1月,2号機も定期点検に入り,2015年5月,1号機,2号機ともに稼働していない。2013年7月に施行された,原子力規制委員会の新規制基準では,過酷事故対策や地震・津波対策など厳しい基準が設定された。1号機は運転開始から40年を超えており,フィルター付きベント設備や難燃ケーブルの設置など新規制基準が求める巨額の過酷事故対策に適合するのが難しいと見られる。2014年3月原子力規制委員会の指摘を受け,中国電力が再稼働をめざす2号機の新規制基準への適合性審査で,中国電力は既存データで断層について説明したが,委員から〈解析図が不鮮明〉などと課題を指摘され,鳥取県沖西部,島根半島沖,大田沖の3地域の断層を再調査する方針を明らかにした。また中国電力は,島根原発1号機について〈廃炉にするという選択肢もある〉とし,廃炉の可能性を認めた。一方,2014年3月島根県は1,2号機の定期検査終了時期と,3号機の営業運転開始時期,新燃料の輸送計画はいずれも未定と発表している。2号機の新規制基準の適合性審査では原子力規制委員会から指摘を受け,追加調査を行い,さらに陸上での調査を重ねている。中国電力は2015年3月1号機の廃炉を決めたと発表。

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