川之江城跡(読み)かわのえじようあと

日本歴史地名大系 「川之江城跡」の解説

川之江城跡
かわのえじようあと

[現在地名]川之江市川之江町

伊予国と讃岐・阿波・土佐三国の国境の要衝に築かれた中世の城跡。川之江の西北部丘陵群の南端しろ(旧名鷲尾山)上にあってひうち灘に臨む。「予陽河野家譜」に、

<資料は省略されています>

と記している。鷲尾山城(伊予古城砦記)土肥どひ(太平記、「忽那一族軍忠次第」忽那家文書)仏殿ぶつでん(予陽河野家譜、萩藩閥閲録、南海通記、小松邑誌、伊予温故録など)とも称せられた。

延元二年(一三三七)河野氏の家臣土肥三郎左衛門義昌が最初に築城したと伝えられる(仏法寺再興録)が、暦応三年(一三四〇)には河野四郎通朝がいて南朝軍に敗退したとの記録もあり(南海通記)、明確でない。仏殿城の称も、義昌築城の時、恵心が造った仏塔にあやかって城中に仏殿を造営したのに由来するともいうが、この呼称が文献に現れるのは戦国末期からである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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