土肥(読み)とい

精選版 日本国語大辞典 「土肥」の意味・読み・例文・類語

とい とひ【土肥】

[一] 相模国神奈川県)足柄下郡南西端の庄名。現在の足柄下郡湯河原町・真鶴町から箱根町東部の山地を含み、近世には土肥六箇村と呼ばれた。
[二] 静岡県伊豆市の地名伊豆半島西岸にある。土肥温泉があり、天正五年(一五七七開発の長い歴史をもった土肥金山跡は観光施設として利用されている。西土肥。

どひ【土肥】

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デジタル大辞泉 「土肥」の意味・読み・例文・類語

どひ【土肥】

姓氏の一。
[補説]「土肥」姓の人物
土肥慶蔵どひけいぞう
土肥実平どひさねひら

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「土肥」の意味・わかりやすい解説

土肥
とい

静岡県東部、田方郡(たがたぐん)にあった旧町名(土肥町(ちょう))。現在は伊豆(いず)市の西端部を占める一地区。1938年(昭和13)町制施行。1956年(昭和31)西豆(さいず)村を編入、2004年(平成16)修善寺(しゅぜんじ)、天城湯ヶ島(あまぎゆがしま)、中伊豆(なかいず)の3町と合併、市制施行して伊豆市となる。旧土肥町は、伊豆半島の西海岸に位置する。東・南・北の三方を山に囲まれ、西は駿河(するが)湾に臨む。達磨(だるま)山などの山々を背後に区域の85%が山林で、海岸沿いも急傾斜地をなす。かつては「陸の孤島」といわれ、沼津(ぬまづ)―松崎(まつざき)間の定期船に頼ったが、現在では、国道136号、西伊豆バイパス、西伊豆スカイラインが通じ、土肥港からは、沼津、静岡(清水)、戸田(へだ)などへカーフェリーや高速船が就航している。カーネーション、夏ギクの栽培が盛んで、アジ、イワシ、テングサなどの沿岸漁業も行う。江戸初期金山奉行(ぶぎょう)大久保長安(ながやす)によって採掘された土肥金山は、当時、土肥千軒とよばれ、金山町が繁栄した。土肥温泉があり、海水浴客、磯(いそ)釣り客も多く、民宿は100軒を超える。北方に小土肥(おどい)温泉もある。

[川崎文昭]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土肥」の意味・わかりやすい解説

土肥
とい

静岡県東部,伊豆半島西海岸にある地区。旧町名。 1938年町制。 1956年西豆村を編入。 2004年4月,修善寺町,天城湯ヶ島町,中伊豆町と合併し伊豆市となる。天正5 (1577) 年に金山が開発され,大久保長安が採掘にあたり,中心集落の土肥は金鉱集落として発展。現在は土肥奥の清越 (せいこし) 金山跡が残るのみで,海水浴場,磯釣り場をもつ温泉街を形成。海産物およびカーネーションなどの花卉を産する。地区の一部は富士箱根伊豆国立公園に属する。国道 136号線が通じ,富士市の田子ノ浦港との間に定期船西伊豆フェリーが就航。

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改訂新版 世界大百科事典 「土肥」の意味・わかりやすい解説

土肥 (とい)

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