川内湊(読み)かわうちみなと

日本歴史地名大系 「川内湊」の解説

川内湊
かわうちみなと

[現在地名]川内町川内

川内川の河口に位置し、陸奥湾に南面する。文禄五年(一五九六)酒田さかた(現山形県酒田市)加賀屋が藩より川内湊で船役銭免除を受けたという(「宝翰類聚」岩手県立図書館蔵)。雑書の寛文三年(一六六三)八月四日条によれば、同年四―七月に「川内、横浜、佐井」へ上方船・松前船合せて二七二艘が入港した。同一二年四月には上方船二四艘、五月には商船二四艘が当地へ入港、七月中―下旬には「川内浦」へ上方船三艘、松前船七艘、地船一艘、旅猟船一艘、八月頃には松前船四艘が入港、同一三年六―七月には「川内湊」へ上方船六〇艘が入港し、元禄八年(一六九五)三―六月に入津した船は一一五艘を数えた(雑書)

雑書の延宝三年(一六七五)一一月一八日条に「佐井、川内を舟着に此両所之ものとも訴訟申といへとも不被仰付候」とある。「郷村古実見聞記」によれば元禄一二年に佐井さい湊・牛滝うしたき(現佐井村)とともに新湊として書上げられ、以後藩政期を通じて田名部たなぶ七湊の一として機能した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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