川田芳子(読み)カワダ ヨシコ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「川田芳子」の解説

川田 芳子
カワダ ヨシコ


職業
女優

生年月日
明治28年 10月17日

出身地
新潟県 新潟市古町通九番町

学歴
大畑高小〔明治43年〕卒

経歴
幼時舞踊を習い明治43年上京、日本橋浜町で芸者となった。大正3年川上貞奴に預けられ、貞奴一座の帝劇「八犬伝墨田の高楼」で初舞台。以来貞奴と行を共にしたが、6年有楽座無名会公演「嘘」などに出演、7年松竹の新派などを経て9年松竹蒲田に入社。ヘンリー小谷監督「島の女」で女優第1号となった。10年「女の力」主演、以後賀古残夢「魔の森」「己が罪」「青春の夢」「二人妻」などに活躍。11年賀古作品13本に出演。諸口十九と組み、栗島すみ子五月信子ら3組のコンビ競演、初期蒲田3大人気女優として活躍。賀古退社後は野村芳亭監督に重用され12年「母」で母物第1号。「清水次郎長」「女と海賊」で勝見庸太郎共演。大震災で一時京都下加茂に移るが、蒲田へ戻って再び諸口と組み「赤坂心中」「女殺油地獄」等。14年「小幡小平次」以後時代劇に活躍。昭和3年松竹蒲田に復帰、「多情仏心」などに出演。この間大幹部。5年以降出演は減り、9年松竹興業に所属、10年オールスターの「母の愛」主演。24年松竹を去った。晩年は埼玉県草加市に住んだ。

没年月日
昭和45年 3月24日 (1970年)

家族
姉=市山 七十郎(5代目)(日本舞踊家)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

関連語 学歴

20世紀日本人名事典 「川田芳子」の解説

川田 芳子
カワダ ヨシコ

大正・昭和期の女優



生年
明治28(1895)年10月17日

没年
昭和45(1970)年3月24日

出身地
新潟県新潟市古町通九番町

学歴〔年〕
大畑高小(新潟)〔明治43年〕卒

経歴
幼時舞踊を習い明治43年上京、日本橋浜町で芸者となった。大正3年川上貞奴に預けられ、貞奴一座の帝劇「八犬伝墨田の高楼」で初舞台。以来貞奴と行を共にしたが、6年有楽座無名会公演「嘘」などに出演、7年松竹の新派などを経て9年松竹蒲田に入社。ヘンリー小谷監督「島の女」で女優第1号となった。10年「女の力」主演、以後賀古残夢「魔の森」「己が罪」「青春の夢」「二人妻」などに活躍。11年賀古作品13本に出演。諸口十九と組み、栗島すみ子、五月信子ら3組のコンビが競演、初期蒲田3大人気女優として活躍。賀古退社後は野村芳亭監督に重用され12年「母」で母物第1号。「清水次郎長」「女と海賊」で勝見庸太郎と共演。大震災で一時京都下加茂に移るが、蒲田へ戻って再び諸口と組み「赤坂心中」「女殺油地獄」等。14年「小幡小平次」以後時代劇に活躍。昭和3年松竹蒲田に復帰、「多情仏心」などに出演。この間大幹部。5年以降出演は減り、9年松竹興業に所属、10年オールスターの「母の愛」主演。24年松竹を去った。晩年は埼玉県草加市に住んだ。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「川田芳子」の解説

川田芳子 かわだ-よしこ

1895-1970 大正-昭和時代前期の女優。
明治28年10月17日(一説に30日)生まれ。43年上京,新橋の人気芸者となる。大正3年新派女優川上よし子として初舞台。9年松竹蒲田に入社し「島の女」に主演,スター女優第1号となる。栗島すみ子,五月信子と人気を三分した。昭和45年3月23日死去。74歳。新潟県出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の川田芳子の言及

【スター】より

… 日本映画のスター・システムは初期の松竹蒲田映画とともに始まる。日本映画のスター第1号として知られる女優・栗島すみ子は,第1回主演作《虞美人草》(1921)以来すばらしい人気で,川田芳子,五月信子とともに初期蒲田の三大女優時代をつくった。この三大女優を一堂に集めた《母》(1924)が1924年大阪道頓堀に新築された当時東洋一の映画劇場〈松竹座〉で公開されたときに主演者たちが出席することになったが,そのとき,大阪駅に出迎えた人波は空前のことだといわれ,〈日本におけるスター・システム勃興期の記念すべき出来事〉になった(筈見恒夫《映画百年史》)。…

※「川田芳子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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