朝日日本歴史人物事典 「川辺御楯」の解説
川辺御楯
生年:天保9.10(1838)
明治期の日本画家。筑後国(福岡県)柳川藩に生まれ,初め鷺外のち花陵と号した。6歳から父に狩野派を学び,嘉永2(1849)年ごろ,久留米藩の絵師三善真琴に入門,のち師と共に狩野派から土佐派に転向した。また平田篤胤門の西原晁樹に国学と有職故実を学ぶ。幕末は国事に奔走し,明治1(1868)年藩命により上京,太政官に出仕する。3年神祇少禄官,7年伊勢神宮権禰宜となるが,10年公職を辞し以後画業に専念。「新田義顕血戦図」(宮内庁蔵)など,東洋絵画会,日本美術協会で活躍した。幕末から明治初年の活動は,平田派神道,国学者の典型を示している。
(佐藤道信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報