州崎（読み）すさき

精選版 日本国語大辞典

す‐さき【州崎・洲崎】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「すざき」とも )
   1. ① 州が長く河海に突出して、みさきのようになった所。
      1. [初出の実例]「かものゐるすさきのみよりこほりとぢよりこし波も沖におりつつ」(出典：曾丹集（１１Ｃ初か）)
   2. ② ①の形の模様。
      1. [初出の実例]「洲崎(スサキ)に千鳥の飛散りたる貝鞍置きて乗りたりけるが」(出典：源平盛衰記（１４Ｃ前）四二)
2. [ 2 ]
   1. [ 一 ] 江戸深川にあった地名。元祿年間（一六八八‐一七〇四）埋め立てられてできた築島をいい、現在の江東区東陽一丁目から木場六丁目にかけての一帯にあたる。遊覧の地で、潮干狩なども行なわれた。洲崎弁財天社（現在の洲崎神社）がおかれ、明治二一年（一八八八）には根津から遊郭が移された。
      1. [初出の実例]「遠からぬ洲崎もいはば江戸の果」(出典：雑俳・俳諧觿‐一三（1797）)
   2. [ 二 ] 「すさきじんじゃ（洲崎神社）」または「すさきべんざいてんしゃ（洲崎弁財天社）」の略。
      1. [初出の実例]「是非洲崎(スサキ)へ参詣(まゐら)ねへければならねへ」(出典：人情本・春色梅児誉美（1832‐33）四)
   3. [ 三 ] ＝すのさき（洲崎）
   4. [ 四 ] 神奈川県鎌倉市台付近にあった旧郷名。

出典　精選版 日本国語大辞典