巨細(読み)こさい

精選版 日本国語大辞典 「巨細」の意味・読み・例文・類語

こ‐さい【巨細】

〘名〙
① 大きいこととこまかいこと。細大大小。きょさい。
※根津美術館所蔵文書‐治安三年(1023)一二月一日・太政官符案「即以其応輸物永充二季祭祀神殿雑舎等修造社司食料衣服并臨時巨細之料者、宜承知、依宜行之、符到奉行」
② (形動) 細かくくわしいこと。また、そのさま。一部始終委細。きょさい。
吾妻鏡‐文治五年(1189)九月一〇日「可進巨細之由、言上」
※化銀杏(1896)〈泉鏡花〉一三「板敷に伸上りて、裏庭より勝手などを、巨細(コサイ)に見て座に就きつ」
[語誌]字義どおりの「巨と細」の意味に加えて、漢籍で「無巨細」と使われることが多く、そこから「細大もらさず」という意味になっていったと思われる。また、中世以降、記録とその影響を受けた軍記物を中心として、「巨細」だけで「詳しく」という意味を持つようになる。

きょ‐さい【巨細】

伊呂波字類抄鎌倉)「巨細 キョサイ」 〔史記‐田儋伝〕

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デジタル大辞泉 「巨細」の意味・読み・例文・類語

こ‐さい【巨細】

[名・形動]
大きなことと小さなこと。きょさい。「巨細となく報告する」
細かく詳しいこと。また、そのさま。きょさい。
「裏庭より勝手などを―に見て座に就きつ」〈鏡花・化銀杏〉
[類語]細大

きょ‐さい【巨細】

こさい(巨細)

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普及版 字通 「巨細」の読み・字形・画数・意味

【巨細】きよさい

大小。

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