一部始終(読み)イチブシジュウ

デジタル大辞泉 「一部始終」の意味・読み・例文・類語

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精選版 日本国語大辞典 「一部始終」の意味・読み・例文・類語

いちぶ‐しじゅう【一部始終・一伍一什ジフ】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一部の書物の、始めから終わりまで。
    1. [初出の実例]「妙法蓮華経の一部始終(いちフシジウ)なり」(出典:私聚百因縁集(1257)八)
  3. 事の始めから終わりまで。物事のくわしい事情。事のなりゆき、てんまつ。
    1. [初出の実例]「拙僧之儀、一部始終、御衆中之御為能様にと存迄に候」(出典:高野山文書‐天正一九年(1591)一二月九日・興山上人応其書状)
    2. 「懺悔の為に恥を忍びて、一五一十(イチブシジウ)を告るになん」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)三)

一部始終の補助注記

一伍一什」の表記は、中国白話体小説風のもの。「小説字彙」に「一五一十的話 イチブ始終ノハナシ」とある。→一伍一什(いちごいちじゅう)

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四字熟語を知る辞典 「一部始終」の解説

一部始終

事の始めから終わりまで。物事のくわしい事情。事のなりゆき、てんまつ。

[使用例] 昭子は一部始終を話そうとしたが、茂造が空腹を訴え続けるので台所に立ち、食事支度にかかった[有吉佐和子恍惚の人|1972]

[使用例] お前さんが青くなっているのを見て、俺には一部始終が見えた[小川国夫*或る聖書|1973]

[解説] もとは一部の書物の始めから終わりまでという意味

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