一部始終(読み)イチブシジュウ

デジタル大辞泉 「一部始終」の意味・読み・例文・類語

いちぶ‐しじゅう【一部始終】

2原義》成り行きの初めから終わりまで。顛末てんまつ一伍一什いちごいちじゅう。「一部始終を詳しく話す」
書物の初めから終わりまで全部
「学問すべしと言へばとて―を心得渡し」〈一言芳談
[類語]始末過程経緯顛末いきさつプロセス次第子細曲折丸ごとそっくりそのまま全部徹頭徹尾残らず残り無く余すところなくことごとく通じて総じてつぶさにこぞって丸丸身ぐるみ全一ぜんいつ全的全面的軒並み一通り一渡りごそっとごっそりすっかり一つ一つおよ有りと有る有りとあらゆる全容全貌おんぶにだっこオールラウンドすることなすこと何から何まで全体裏表網羅丸きり丸っきりあるがまま一揃ひとそろ一式十把ひとからげひとまとめありったけ総なめ細大漏らさず洗いざらい何もかも何でもかんでも根こそぎ漏れなく隈なく万事一から十まで一切いっさい一切合切いっさいがっさい

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精選版 日本国語大辞典 「一部始終」の意味・読み・例文・類語

いちぶ‐しじゅう【一部始終・一伍一什ジフ】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一部の書物の、始めから終わりまで。
    1. [初出の実例]「妙法蓮華経の一部始終(いちフシジウ)なり」(出典:私聚百因縁集(1257)八)
  3. 事の始めから終わりまで。物事のくわしい事情。事のなりゆき、てんまつ。
    1. [初出の実例]「拙僧之儀、一部始終、御衆中之御為能様にと存迄に候」(出典:高野山文書‐天正一九年(1591)一二月九日・興山上人応其書状)
    2. 「懺悔の為に恥を忍びて、一五一十(イチブシジウ)を告るになん」(出典:読本・南総里見八犬伝(1814‐42)三)

一部始終の補助注記

一伍一什」の表記は、中国白話体小説風のもの。「小説字彙」に「一五一十的話 イチブ始終ノハナシ」とある。→一伍一什(いちごいちじゅう)

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四字熟語を知る辞典 「一部始終」の解説

一部始終

事の始めから終わりまで。物事のくわしい事情。事のなりゆき、てんまつ。

[使用例] 昭子は一部始終を話そうとしたが、茂造が空腹を訴え続けるので台所に立ち、食事支度にかかった[有吉佐和子恍惚の人|1972]

[使用例] お前さんが青くなっているのを見て、俺には一部始終が見えた[小川国夫*或る聖書|1973]

[解説] もとは一部の書物の始めから終わりまでという意味

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