市中屋村(読み)いちなかやむら

日本歴史地名大系 「市中屋村」の解説

市中屋村
いちなかやむら

[現在地名]伯太町井尻いじり

母里もり村の南、伯太川沿いにあり、当地で福富ふくどめ川が伯太川に合流する。正保国絵図をみると母里村から南下してきた道が当村を経て寸次高江すんじたかえ村に向かい、当地で三坂大畑みさかおおはた村への道、日次横屋ひなみよこや村への道のほか伯耆への道が分岐している。伯耆への道については「郷方古今覚書」に「市中屋村より、伯州絹屋村迄、廿五町、此所峯通国境」とある。中世には井尻保に含まれ、長久二年(一〇四一)に作成されたと伝える天神勧請式目(天満宮文書)井尻保内の地名として「中屋」や「市分」がみえる。近世にも井尻ともよばれた(雲陽誌)。正保国絵図に一中屋村とみえ、延宝二年(一六七四)の井尻市中屋村検地帳、同反新田山畑検地帳およびのちに市中屋村に含まれる同年の井尻之内大平村検地帳、同山畑検地帳が伝存する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android